不妊治療10-終わりに

流産後の経過も問題なく、時間が経つにつれて不意に思い出して泣いてしまうことも少なくなり、半年過ぎた頃には身体的にも精神的にも回復しました。

一度だけの経験でももう十分と思うくらい辛い経験でした。

半年の間、もう一度やってみたら今度こそうまく行くかも、と思い、でも同じことになったら辛すぎる、お金もかかるしやめよう、と何度も何度も繰り返しました。

半年過ぎてだいぶ落ち着いたころに、旦那に相談したとき、「自分はもう一度やってみてもいいけど、君が辛い思いするくらいならやらなくてもいいよ」と言ってもらって、本当に諦めることができたと思います。

 

不妊治療は妊娠の確率をあげるサポートをするだけで、体外受精したところでそれがうまくいく保証もないですし、その点割り切っておかないと終わりがなくなってしまいます。そうは言ってもなかなか切り替えは難しいですけどね…

 

パートナーとの相互理解も不可欠ですので、不妊治療の計画については深く話し合われることをおすすめします。話そうとしても興味がなさそうだったりすると思いますが、本当に興味がないのか、相手の本心を確認しておくと、後から不安・不満に思うことが少なくなります。お互いに思っていることは言葉に出さないと通じ合えませんし、なぜか男性は変な方向に気を使って本当のことを言わなかったりする場合があるので。

(我が家も治療中興味なさそうにしてましたが実はすごく喜んだりがっかりしたりしていたようです。流産後に話したときにあまり感情を表に出すとうまくいかなかったことが私の負担になるのではと気を使ったらしいですが、こちらとしては報告しても上の空のようでめちゃくちゃ不満でした)

 

二人ではじめたことなので、終わりも二人で納得して決めれば、後に後悔することもないはずです。

これからはじめる方、現在進行中の方の治療が良い方向へ進むことをお祈りしています。

 

不妊治療9-まとめ

1度きりの経験でしたが、不妊治療は本当に辛くてしんどいものでした。結果がうまくいかなくても、少しでも希望があったら次をやってみよう、となってしまうので。

 

私の経験からポイントをまとめると以下の通りです。

 

1.ゴール(終わり)を決める

使う限度額や、期間、回数、何でもいいので終わりを決めておいたほうが精神的にも楽になると思います。何度でも諦めずにやる!というのも勿論ありだと思いますが、可能性を捨てきれず諦められなくてどんどん辛くなるようであれば、終わりがあったほうが楽に気持ちを切り替えられます。あらかじめ決めていても結果によっては気持ちがかなり揺らぎます…


2.できる限り旦那を最初から巻き込む

クリニック選びから説明会の参加、精子の検査、金銭的に可能であれば旦那側にもサプリを飲ませる・適切な治療を行うなど、夫婦で初めから進めたほうがお互いに納得できると思います。

 

3.クリニック選びポイント

・何度も通うことになるので行きやすい場所にあること

・自分に合った医師や看護師がいること

・多くの症例を取り扱っていること

・クリニックは沢山あるので合わないと思ったら早めに変えたほうがいい

 

4.準備しておくと良いもの

葉酸サプリ:私は不妊治療前から妊娠を希望している間は継続して飲み続けていました。流産の時も医師からは飲んでましたよね?と確認されたので、普段の食事に加えてサプリで補ったほうがよさそうです。

お産パッド:流産の経緯も人それぞれだと思いますが、私のように突然大量に出血することもあるので、妊娠が分かった時点で大きめのものを準備しておくと良いと思いました。参考に病院で購入したものを載せておきます。Mサイズでもいいかもしれませんが、病院が遠かったり、どれくらい出るかわからないので。私は夜用ナプキンしかなかったので病院までの移動中タクシーのシートが汚れないかすごく不安でした。

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産褥ショーツ:こういうショーツがあることは後から知ったのですが、万が一の時にこのショーツとお産パッドがあれば病院までも入院してからも楽だったと思います。入院中にパッド交換の際、具合が悪いのに寝ながら腰を持ち上げて下着を下ろしパッド交換、また下着を履きなおすのがとても大変だったので…。このショーツは股のところがマジックテープではがれるようになっていて、下着を下ろさなくてもパッドの交換ができます。(看護師さんに替えてもらうこと前提にしてます。お手洗いに行ける状態だったら自分で普通の生理用ショーツにパッドをあてればいいと思います)

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不妊治療8-流産その後

緊急入院だったので朝には上司にメールで報告、休みの申請、摘出術後は午後に退院、自宅へ帰りました。そのあと祝日・土日もあったので実質3日間の休暇申請で流産後4日間は休むことができました。休み中にも一度診察に訪れ、経過を見ていただき、特に問題ないので安静に過ごすよう指示されました。

 

その後は毎日、毎晩、仕事中も思い出すたびに泣けてきましたが、なんとか仕事に集中することで日々を過ごし、できるだけあの夜のことを思い出さないようにしてきました。

 

2週間後、再度診察を受け、赤ちゃんの検査結果を教えてもらいました。男の子であっただろうということ、体のほとんどは順調に形成されていたこと、一部問題があったがそれが外的要因なのか、胎児側の問題なのかは不明ということでした。

もっと詳細な検査をすることも可能ということでしたが、これ以上の不妊治療は望まないつもりだったのでお断りしました。

ただ、医師からはここまで妊娠継続する力もあり、あと2か月くらいして順調に生理がきたら治療は続けてもいいと思いますとは言われました。旦那には続けてもいいよ、と言われましたが、私が、同じことを繰り返すのが辛すぎて無理、と結論を出しました。可能性があると言われて、もう一回やれば今度こそうまくいくかも、と希望もありましたが、受精卵も残っておらず、あの苦労を最初からやり直してまた同じ結果になったらと思うと辛くて、最初に決めたこともあり、完全に諦めることにしました。

 

流産後は通院するたびに看護師さんが気にかけてくれて、声をかけ、話をきいてくれようとするのですが、話すたびにあの時のことが思い出されて辛くて泣いてしまい、個人的にはそれが余計に辛かった。流産を経験した方が集まる会もあるとご紹介いただきましたが、私は人に話すよりも自分の中で気持ちを整理するほうが良かったみたいです。

 

立ち直る方法にも個人差があると思います。誰かに気持ちを話して落ち着くこともあれば、そっとしておいてもらったほうがいいこともあります。私の場合、流産後はとにかく日常を意識して、できるだけ考えないようにすることが、回復につながったと思います。

不妊治療7-流産※具体的な状態を書いていますので閲覧注意です。トラウマのある方は閲覧しないで下さい※

※具体的な状態を書いていますので閲覧注意です。トラウマのある方は閲覧しないで下さい※

 

10週の時に婦人科で状態を確認したときは問題なかったのですが、なんとなくその頃からおりものの色が黄~オレンジっぽい感じで続いていました。

日中は在宅で仕事を続けほぼ座った状態、外出も最小限、夜は早めに就寝する生活を続けていましたが、11週目の夜間に突然、最悪の事態が訪れました。

 

就寝直前、ベッドに横になった際に生理二日目のように何かが流れ出る感覚があり、おりものの量が多かったのかな?と思いましたが寝る前にお手洗いに行っておくことにしました。

そこで目にしたのは真っ赤になったおりものシートでした。便座に座ったあともだらだらと鮮血の液体が流れ出し、程なくしてレバーのような大きな塊がどぼどぼと出てきました。明らかに、何か問題があったとしか思えません。

泣きながらお手洗いから旦那を呼んで、婦人科の緊急連絡先を記載した用紙を取ってもらいお手洗いの中から電話しました。

 

状態を説明するとすぐ来てくださいとのことだったので、タクシーで救急窓口へ。時間はすでに24時を超えていました。自宅からは生理用の夜用ナプキンを付け、吸水ショーツの一番よく吸うものをはいて行きましたが、タクシーの中でも流れ出る感覚と腹痛が一定間隔であり、病院に到着してもそれは続きました。

病院で医師の診察をうけ緊急入院、ナプキンは真っ赤に染まって絞ればしたたるくらいになっていました。

旦那は病院まで付き添ってくれましたが、コロナのためそこで待つこともできずにいったん帰宅。その時点でエコーでは赤ちゃんが手足をバタつかせている姿が確認できました。私はそのままベッドに横になり、尿管もつけてベッドで絶対安静にするよう指示されました。つけてきたナプキンに染み込んだものの成分を確認すると、羊水だったことが分かったそうです。看護師さんのほうで大きめのパッドをあてて下さり、着の身着のままでベッドに横になって、一定間隔でくる腹痛と何かが出るような感覚を感じながら、もうダメなんだって一人泣き続けました。

あまりにも大量に出続けるので見回ってくれる看護師さんにパッドを替えてもらったりして、ほとんど寝ずに一晩を過ごしました。

 

翌朝11時頃、担当医の診察を受け、そのまま流産が確定しました。もう子宮内のほとんどのものが出た状態で、赤ちゃんだけを先生が取り出してくださいました。

手のひらくらいの小さい体でしたが、ちゃんと赤ちゃんでした。

大きな病院の通常の診察室だったので、一般の患者さんもおられましたが、涙を止めることはできませんでした。

11週3日の、短い命でした。

 

不妊治療6-着床

1回のチャレンジ、1つの受精卵しかないので、着床のチャンスも一度きりでした。無理なら無理で諦めようと頭では理解していましたが、着床待ちの間に出血したりして、もうダメかと思い旦那の前で泣いてしまいました。

 

半ば諦めつつクリニックで確認をすると、なんと着床しているとのこと!

本当に嬉しかったです。

会社へは自分の業務上早期に引き継ぎを始めないとまずかったので、チーム全員へは安定期に入ってからの報告にするということで、5週目には上司にのみ報告し、今後の人員確保、引き継ぎの予定などを組んでいただきました。おかげでコロナ禍ということもありほとんどの仕事を在宅勤務にて対応してもらえて、体調的にはかなり楽でした。

 

そこからは3回ほどクリニックにて状態を確認し、晴れて卒業となりました。

このあとは通常の婦人科の管轄となるので、通っていた婦人科へと変更です。

 

10週目になるころ、婦人科を受診してクリニックからの診断書を提出し、引き継いでもらいました。同時に母子手帳も申請し、万が一自分に何かあったときに後悔しないよう、実母にだけは妊娠したことを伝えました。

ほんとに短い期間でしたが、それまでの不安や苦労が報われたような気がして、ほっとしたし嬉しかったです。

不妊治療5-胚移植

ここまではまあ順調だったと思います。採卵もできたし6個も取れて、あとは培養結果がどうなるか…。

 

結果は十分な状態まで育ったのが1つだけでした。

 

ある程度までは育ったけれど、それ以上ダメだったのは旦那の精子の状態も関係する、とのことだったので、ここで初めて旦那にもサプリ飲ませたりできる限りの治療しておけば良かった!と思いました。

結局卵は1つしか残らなかったので、その1つを移植して受精しなければこれで不妊治療は終了の予定です。

 

6個もあったのに…3つくらいはもし精子の状態が良ければ冷凍保存して、1つがダメでも3回チャレンジできたかもしれない、とすごくがっかりしました。

 

1つしか残らなかったのは、もう仕方のないことなので、運命と思ってあきらめるしかありませんでした。1つ残っただけでも胚移植にチャレンジできるのだから良かったと前向きに考えるしかありません。

移植手術はそんなに時間もかからずすぐ終わりました。あとは着床するかどうか待ちます…

不妊治療4-採卵

ここまで何とか無事に卵子が育ったようで、採卵できることになりました。

 

コロナ禍での採卵は付き添いもできず、旦那も別々に採精してそのまま解散になります。今だったらコロナの状況も落ち着いてきたので付き添い、ロビーでの待合は可能かもしれないですね。

 

全身麻酔ではないので意識がある状態で、下半身あたりでごそごそと作業されているのを見るのは少し不安なような、怖いような感覚でした。

付き添いもないので術後しばらくは一人ベッドで休み、問題なければ帰宅となります。

少し気分が悪くなりましたが、休んだ後は採卵の結果を確認し、帰宅しました。

 

採卵の結果は6個取れたとのことで、これから受精&培養し、そのうち十分に育ったものを胚移植することになります。

結果待ちの期間はちょうど休暇を取っていたので、旅行などで気分転換をしました。